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1991-2017

スーツ:裏地が大切って話

今回は、通常見る事が出来る裏側のお話です。
「裏地」のお話です。

裏地の役割は
・下に着ている衣類の布との滑りを良くする
・型くずれを防ぐ
・汗などの水分を吸収・発散させる
それに伴う表生地への負担を極力軽減する
・・・などなど、実に大きな役割を担っています。

素材はポリエステルとキュプラが多く使われています。キュプラの手触りっていいですよね~。
ベンベルグ」と呼ばれる素材がありますが、これは旭化成せんい㈱の登録商標で、キュプラと同じと考えて頂いて結構です。

ポリエステルは原油を精製したモノを原料にした化学繊維です。
ポリエステルの裏地は比較的安価なものが多く、繊維もキュプラと比べて繊維が若干太いものが多いです。

キュプラはコットンのうぶ毛を加工して作られた半合成繊維で、素材としては天然素材に分類されます。
ポリエステルに比べて高額になりますが、しなやかで美しい光沢があり、肌触りも良いのが特徴です。
吸放湿性(ベトつきを抑えムレにくい)
制電性(静電気でパチパチしにくい)に優れた素材なので、オーダーメイドに限らずスーツの裏地の主流であるといっても過言ではないでしょう。


スーツの構造の話に入って行きましょう。

ジャケットの裏地は、いわゆる「裏地」と「袖裏」があります。

「裏地」は、前身頃と後ろ身頃に使用します。
総裏(そううら)仕立ては、文字通り後ろ身頃の全面に裏地を使用します。
背抜き仕立ては、後ろ身頃の肩~肩甲骨が当たる辺りに使用します。
お客様は「背抜き仕立て」を好まれる傾向があるようです。

そして「袖裏」は裏地よりも強度がある裏地を使用します。
腕の曲げ伸ばしなど、裏地に掛かる負担が大きくなるからです。
無地のモノでも良いのですが、ストライプの柄が入った袖裏を使用すると紳士服らしいくて格好良いですね。。

続いてトラウザース(パンツ)ですが、
「腰裏(こしうら)」と「膝当て(ひざあて)」に裏地を使用します。
腰裏はいわゆる「裏地」とは違うのですが、裏と言うキーワードがあるので一緒に説明します。
これは強度が強い芯地が縫い付けてある帯状のモノで、半製品の様なパーツです。
一番負担が掛かる部分で、身体に密着する部分なので丈夫でなければいけませんよね。

膝当ては前身頃のベルト下から膝小僧の下辺りまでに使用する裏地です。
やはり、腿から膝にかけての部分は「立つ」「座る」「歩く」という人間の基本動作に於いて摩擦という負担が掛かるので、これが無いと表地が直接ダメージを受けてしまうワケです。
特に夏場は多く汗をかくので、本当はトラウザースの下にステテコを履いた方が気持ち良く過ごせますし、裏地のダメージも最低限で済みます。汗で裏地がペタペタとくっつく事がありません。オススメです。

特に薬を服用している方は、汗が変質して裏地を変色させてしまったり、破れ易くなってしまったりすることもあるようです。

パンツがダメになると、スーツそのものがダメになってしまう苦い経験…。私だけでしょうか?

せっかくのスーツですから、大切に長く着たいものですね。