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1991-2017

私には名前がなかった。

文章

「またこの季節を過ごしたいね。」

クリスマス。私はそういって、あの人は次の年には音信不通になった。

「ああなればいいね」「こうなりたいね」
この言葉が相手の重荷になる関係。

当時19歳の私と1つ年下の彼。
アナスイの甘すぎる香りの香水2プッシュで眩む、体温38℃絶賛風邪ひき中の彼。

「運命だ。ここまで話が合うなんて!」
飛び跳ねるように出会った当初の彼は喜んでいた。

(あなたの趣味嗜好が一般の範囲内から出ていないだけなのに)

Arctic Monkeys Paul Smith サファイアのアクセサリー エンジェルハートリング

そこに私が言葉を選んで合わせる。

なんて勘違いをさせてしまったんだろう、でもそれ自体に何の罪悪感もない。
その勘違いから覚めたときの、彼の反応ったら。
こんなことになるなんて私があなたのことを過信してしまっていたかな。

軽はずみに始まった関係は呆気ないほど一瞬で終わる。
ワッと燃え上がったと思ったら、そのあとすぐに消えてしまう幻のようなもので

そう思うから、いきなり「同棲しよう」なんて言ってくる人は信じられないし、警戒心を働かせてしまう。

過去の私は彼のなかでもう名前なんてないだろう。

そして今の私は、自ら名前を覚えられることを避けているかのようだ。

「元カレに浮気されて男の人を信用できないから常に連絡して欲しい」とか「親に愛されなくて寂しかったから愛情表現をたくさんして欲しい」とかは、「俺の作った借金、一緒に返してくれるよな?」と同じであり、自分の過去を新規の相手に背負わせるのはダメだ、という話をブログで読んで反省しました