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1991-2017

片思い

片思いの彼と病院の待合室でばったり会った。
診察を終えた彼に話しかけると、癌を患っているとのことだった。

帰り、駅まで一緒に歩いて行く。
私と彼は違う電車。
でも、私は彼の乗った電車に駆け込む。
同じ車両まで追いかけて、話しかけようとしたら
彼は車両で偶然会ったらしい友達と話をしていた。

「お邪魔しました」と
一端その場を去るも、
いてもたってもいられなくなり
その友達が電車を降りたのを見てすぐ彼のところに駆け寄った。


席に座る彼に 懇願するような姿勢で

膝をつき、足にもたれかかるようにして
お願いだから一緒にいさせてと言った。


石畳の坂道を登ると木造の古い建物、
彼の住む場所に転がり込む。

部屋には実用書や難しそうな本が散らばっていた。